最近、ニュースを観ていたり新聞を読んでいると「直葬」と言う言葉を見かけるようになりました。

直葬と書いて「ちよくそう」と読みます。
もしかしたら、すでに直葬と関わった事のある方がおられるかも知れませんね。
これを書いている私自身は直葬は未経験なのですが、実家の両親が親戚の直葬のお世話をした事があります。
今回はその時の体験から学んだ事と調べた事をプラスしてまとめてみたいと思います。
直葬とは
そもそも直葬って何?
では直葬(ちょくそう)とはなんでしょうか?
直接とは
直葬とは宗教儀式を行わず、ご遺体を24時間安置した後、直接火葬する事を指します。


ポイント
直葬の場合、通夜・告別式などの儀式はは行いません。自宅または病院から直接火葬場に遺体を運び、火葬することになります。
直葬が増加している理由は3つ考えられます。
直葬が選ばれる3つの理由
直葬が選ばれる3つの理由
- 経済的な事情
- 宗教観の変化
- 人間関係の希薄化


1 経済的な事情
最近「一般的なお葬式をする費用がない」と言う理由から直葬を選ぶ方が増えています。
一般的に仏教式で家族葬のような小さい規模でお葬式をしたとしても、葬儀屋さんに依頼する場合ざっと100万円ほどかかります。
注意ポイント
直葬にすれば30万円(火葬料込み)くらいで火葬まで済ませる事が可能です。
葬儀屋さんにもよりますが20万円以内(火葬料込み)で引き受けてくれるところもあるようです。
2 宗教観の変化
お寺との付き合いが希薄になってきているため、仏教式のお葬式にこだわらない方も多いようです。
注意ポイント
また「法事やお葬式の時はお経をあげてもらうけど、とくに仏教徒って訳でもないかな」という方も年々増えています。
さらに言うなら高額な戒名料などが必要になる「葬式仏教」に嫌気がさして、あえて直葬を選ばれる方もおられます。
3 人間関係の希薄化
高齢の方が亡くなった場合、お通夜やお葬式を行っても参列者見込めない場合があります。
参列される方もご高齢だったり、介護状態にあると「お葬式に呼ぶのもためらわれる」と言う事が多々あり、直葬を選ぶ方が増えています。

また故人に身内がおらず、地域の民生委員さんがお葬式を仕切る場合は直葬をされるケースが多いようです。
お寺にお墓がある方は要注意!
直葬をする場合、もし菩提寺がある場合は菩提寺のご住職に相談される事をオススメします。
注意ポイント
お寺にお墓を持っておられる場合、お寺の許可無く勝手に直葬してしまうと、お寺に納骨させてもらえないケースがあるようです。
後からトラブルにならない為にも菩提寺がある方は必ず事前に菩提寺に問い合わせてください。
ご遺体の安置場所について
ポイント
直葬の場合、亡くなったら病院からすぐに火葬場に直行して火葬する……と思われる方がいるかも知れませんが、法律でご遺体を死後24時間以内は火葬出来ない事になっています。
ご自宅にご遺体を連れて帰る事が出来るのなら問題はありませんが、そうでない場合は火葬場、または葬儀屋さんに安置させていただく事になります。この場合は別途費用がかかります。
宗教儀式を何もしない事に抵抗がある場合
直葬は宗教儀式をしないと書きましたが、葬儀屋さんに依頼すると、火葬炉の前でお坊さんにお経を読んでもらう事は可能です。
直葬の場合、お布施としてお坊さんにお渡しする金額は3万円~5万円が相場とされています。
メリットだけではありません
これを読んでくださった方には「直葬だとお金もあまりかからなさそうだし、準備も楽そうだし、いいかも」と思われるかも知れませんが、注意して戴きたい事があります。
ポイント
直葬を選ぶ理由の3つ目「人間関係の希薄化」でも少し書かせて戴きましたが、亡くなられた方がご高齢だったりして「お参りに来てくださる方はあまりいない」場合は問題ないのですが、そうでなければ、後になって「お参りをさせてください」と故人の友人、知人が訪れる場合があります。
私の知り合いは、故人の希望で実父を直葬をしたのですが、直葬の後で自宅に大勢の方が次々とお参りいらして「これなら最初からちゃんとしたお葬式をした方が楽だったかも」と言っていました。

注意ポイント
直葬をした方が経済的、精神的に楽になるかどうかは「ケース・バイ・ケース」としか言えません。
昔と違って最近はお葬式の形が多様化していますから、直葬も家族葬もアリだと思います。経済的大変な場合は無理をして豪華なお葬式をするよりも、身の丈にあった範囲で故人を見送るのは賢い方法かと思います。
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