先日、友人から「私も将来は一心寺さん入りたいんだけど…」と相談を受けました。
一心寺さんとは大阪では人気のお寺で遺骨で骨仏を作って供養してくれます。
-
一心寺の納骨体験。遺骨を骨佛にしてくれるお寺について。
50代を過ぎると親を見送った方が増えてくる気がします。 知恵袋おばさん私も実家の父を見送りました 親の死の後始末をすると ...
続きを見る

友達はいわゆる「地主」と呼ばれる家に嫁いで、結婚後はずっと専業主婦をしています。

メモ
大阪でも昔から続く「旧村」と呼ばれる地域では「いったい、いつの時代の話なの?」としか思えないような古い風習が残っていて「嫁」として苦労している女性が多いんです。
「夫と同じお墓に入りたくない」と言う友達は正確に言うと「夫の家族と一緒のお墓に入りたくない」と考えているようでした。
夫と同じお墓に入りたくない!
目次
「夫と同じお墓に入りたくない」と考える妻は多いようです。
メモ
NHKの情報番組「あさイチ」が、全国の既婚女性1488人に行ったアンケートによると「夫の墓に入りたいか?」という質問に対して6割の女性が「いいえ」と回答しています。
妻が夫と同じお墓に入りたくないと思う理由
- 知らない先祖代々と一緒は嫌(39.9%)
- 遠い・ゆかりのない土地にある(32.3%)
- 夫の家族が嫌い(30.7%)

法律的にはどうなのか?
法律的に夫婦は夫婦でいるうちは「同居義務」が発生します。
しかし同居義務は生きている時の話しで、死んだ後は法律的な義務はありません。
自分のお墓(埋葬場所)は自分で決めても良いとされています。

ただし結婚後「実家のお墓に入りたい」と思った場合、実家のお墓を継いだ人の承諾が必要です。
メモ
- 墓を使用する権限は、そのお墓を管理する『祭祀承継者』にあります。
- 実家のお墓に入るためには、実家のお墓の祭祀承継者(通常は墓地使用契約の名義人)の承諾が必要です。
また、お墓によっては「他宗教の人のお墓は埋葬できません」と言う規則が設けられているケースがあります。特にお寺が管理しているお墓の場合「お寺の檀家さんしか入れない」なんて事はよくあるようです。
自分で自分のお墓(埋葬場所)を確保する
実家のお墓の祭祀承継者(お墓を継いだ人)の承諾が得られなかったり、宗教上の理由などで実家のお墓に入れない場合はどうしたら良いのでしょうか?
どうしても夫と同じお墓に入りたくない場合は自分で自分のお墓(埋葬場所)を確保するしかありません。
お墓と言えば先祖代々のお墓があって、長男が引き継いでいく…と言うイメージがありますよね。先祖代々の人達を納骨するお墓は家族墓と呼ばれます。
しかし最近は個人墓と呼ばれる埋葬法が増加しているようです。
個人墓とは?
個人墓とは先祖代々の人達が埋葬される家族墓に対して、一人だけが埋葬されるお墓です。
メモ
「1人1つのお墓」と言うと有名な武将や芸能人のお墓をイメージする人が多いのですが、昔から個人墓や夫婦だけが埋葬される夫婦墓もあったようです。
お墓の後継者がいない場合、納骨堂等の永代供養をするパターンが多いのですが「他人の遺骨と一緒に埋葬されるは嫌だ」と言う方や、自分の気に入ったデザインのお墓を希望される方は個人墓を選ばけるようです。
個人墓のデメリット
「じゃあ、夫と同じお墓に入りたくないなら個人墓を建てればいいのね」と思ってしまうのですが、個人墓にもデメリットがあります。
個人墓の場合、お墓を管理するお墓の祭祀承継者(お墓を継いだ人)がいない訳ですから、供養期間(33年~50年)を経た後は、最終的に共同供養塔へ移動するように決められているケースがあります。
お墓によって設定が違うため、個人墓を購入する時は供養期間の確認が必要です。
永代供養をお願いする
私の父親は大阪の一心寺さんに供養をお願いしましたが、最近は永代供養の方法が増えているので、様々な形での永代供養を選択する事もアリだと思います。
永代供養にも様々な種類があります
- お寺の納骨堂
- 樹木葬
- 散骨等の自然葬
- 供養塔等の合同墓
「知らない人と一緒に埋葬されるのもアリ」と考えている場合は、永代供養でも良いかと思います。
永代供養の場合、個人墓よりも費用が抑えられるのも嬉しいところです。
夫のお墓に入らないための具体的な方法

子どもがいる場合
お子さんがおられる場合「夫と同じお墓に入りたくない」と言う希望は比較的、実現しやすいかと思います。
自分で自分の埋葬方法を決めて、個人墓を建てるなり、永代供養の場所を決めるなりして子ども達に託してください。

子どもがいない場合
子どもがいない場合の扱いはちょっと複雑です。
メモ
夫より長生き出来た場合、夫が無くなった時点で「姻族関係終了届」を提出すると、夫の家族とは法律的に縁を切る個々とが出来ます。最近は「死後離婚」なんて言葉もあるようです。

- 婚族関係終了届は提出にあたって、配偶者の血族の了承をとる必要はありません。
- 配偶者の死亡届が出されたあとであれば、いつでも届け出ることが出来ます。
- 届け出をした日から姻族関係は終了します。(夫の家族との親戚関係も終了します)
婚族関係終了届の出し方
-
姻族関係終了届(死後離婚)の手に入れ方、書き方、提出先について。
50代に突入すると、結婚して主婦として暮らしていた人の中にも夫に先立たれる人が増えてきます。 知恵袋おばさん思えば40代 ...
続きを見る
子どもがおらず自分が夫より先に死んでしまった場合
子どもがおらず、自分が夫より先に死んでしまった場合は少し手続きが難しくなります。
「エンディングノートに書いておく」と言っても、エンディングノートに法的な効力はありません。
家族に仕事の事を任せたくない場合は第三者(司法書士・行政書士)と死後の事務委任契約を結び、こうした事務を行ってくれるように生前に依頼して おく方法があります。

死後事務委任契約
- 死後事務委任契約は信頼のおける親族や知人、 行政書士や司法書士などの専門家と契約することが できます。
- 死後事務委任契では自分の死後にしてもらわなければならない様々なことを依頼する事が出来ます。
夫と同じお墓に入らない事は可能です
「夫と同じお墓に入りたくない」と言う友達と一緒に、ムキになって調べまくった訳ですが「夫と同じお墓に入らない」と言う選択はアリだと思います。

元気なうちに準備しておきたいこと
- 埋葬場所を確保する(個人墓・永代供養など)
- エンディングノートに記載しておく
- 夫が先立っている場合は「婚姻関係終了届」を提出する
- 夫がいる場合は子ども、または専門家と死後事務委任契約をしておく
友人は子どもがいる人なのですが「子どもがちゃんとしてくれるかどうか分からないから知り合いの司法書士さんに相談してみる」と言っていました。

「夫と同じお墓に入りたくない」と言っても簡単に実現させるのは難しいかも知れませんが、心からそう望むのであれば頑張ってみて戴きたいな…と思います。
終活についての記事
50代を過ぎると親を見送った方が増えてくる気がします。 知恵袋おばさん私も実家の父を見送りました 親の死の後始末をすると ... 続きを見る 50代に突入すると、結婚して主婦として暮らしていた人の中にも夫に先立たれる人が増えてきます。 知恵袋おばさん思えば40代 ... 続きを見る一心寺の納骨体験。遺骨を骨佛にしてくれるお寺について。
姻族関係終了届(死後離婚)の手に入れ方、書き方、提出先について。