50代を過ぎると「お墓」の問題が身近に迫ってきますよね。
メモ
すでに跡を継ぐことが決まっているお墓がある方は大丈夫ですが、お墓の無い方の場合「自分が永眠する場所」について考えておく必要があります。

そうは言ってもお墓ってイザ買うとなると、けっこう費用がかかります。
そんな時、ふと思いつくのが「市(区)のやってるお墓なら安く入れるんじゃないの?」って事です。
今回は自治体が運営している「公営霊園」についてご説明します。
公営霊園とは?
墓地は、運営者によって大きく三つの形態に分けられます。
- 民間霊園 財団法人や宗教法人などの団体が管理・運営している
- 寺院霊園 お寺が管理・運営している
- 公営霊園 地方自治体が管理・運営している

公営霊園への申し込みの一般的な流れ
公営霊園にお墓を建てたい場合は民間霊園に競べると、ちょっと手間がかかります。

step
11公募情報の確認をする
募集要項は自治体の広報やホームページ・窓口などで発表されます。
毎年、決まった時期に募集されるため募集時期を確認してチェックしてみてください。
step
2申込書を入手する
公募情報が出たら、申込書が配布される日程や場所を確認して、申込書を手に入れてください。
step
3申込資格と期間を確認する
申込締切の確認してて、自分が申込資格を満たしているかを確認してください。
step
4申し込みをする
申込期間中に、必要な書類を揃えて役所に提出します。
step
5抽選
申込者が多数となった場合は、抽選で墓地使用者が決まります。
過疎地域でない場合、まずまず抽選になります。
step
6資格審査を受ける
申し込み完了後、(抽選があった場合は当選した後)指定期間内に住民票や戸籍謄本等の必要書類を提出し、審査を受けます。
step
7永代使用料・管理料の支払いをする
無事に審査が通ったら、指定された期日内に使用料・管理料を納付します。
step
8使用許可証の発行
永代使用料・管理料の入金が確認されると、使用許可証が発行されます。
step
9使用開始!
許可証が届いた後は、墓石を建てる事が出来ます。自分の気に入った石材店にお墓の建立について相談しに行ってください。
某地方自治体の公営霊園の例

ちなみに1年に1回の公募で募集されていたのは50区画です。
申込資格
- 平成29年10月22日以前から○○市に継続して住民登録をしてお住まいの方で、祭祀を主宰する者であること。
- 申込者の父母(養父母を含む。)、夫若しくは妻又は子(養子を含む。)の遺骨を自宅で保管若しくは寺院等へ預骨し、又は他の墓地や納骨堂から改葬できる人。(なお、分骨の場合は、申込みできません。)
- 1年以内に上記遺骨を埋蔵する墓碑等を建立できる人。
ザックリ解説するとこんな感じ
- 住民登録をして1年以上、経っている
- 親・配偶子・子供の遺骨がすでにある
- 分骨は不可
- 1年以内にお墓を建てる事が出来る
申し込み資格については地方自治体毎に違うのですが、似た感じで設定しているところが多いようです。
区画の面積及び使用料等
- 使用料:1平方メートルあたり400,000円
- 管理料:1平方メートルあたり1,300円
使用料については、この墓地の場合「街中で交通の便が良い」と言うことで、公営霊園にしてはお高めの設定ですが、管理費が圧倒的に安くなっています。
一般的に民間や寺院が運営している墓地の場合、管理費は5000円から1万5000円で設定しているケースが多いため、1300円と言うのは格安と言っても良いですね。
公営霊園のメリットとは?

公営霊園のメリット
- 自治体が運営している安心感がある。
- 宗教の制約がない。
- 永代使用料や管理料が、民営霊園や寺院墓地と比べて比較的安い。
- 墓石を建てる時に石材店を自由に選べる。
- 墓石の大きさや形についての制限が、民営霊園や寺院墓地と比べて比較的少ない。
公営霊園を建てるとなると、1番に思いつくのは「自治体運営しているから倒産等の心配がない」ってことですよね。
民間の場合、運営会社が倒産する可能性がありますが、公営霊園の場合は圧倒的に安心感があります。
宗教の制約がないのも嬉しいところ。寺院霊園の場合「自分のお寺と同じ宗派であること」が求められるケースがほとんどですが、公営霊園の場合はどの宗教の方でも利用出来ます。

上でご紹介した例は公営霊園にしては高い印象がありますが、交通の便の良い街中で近隣地域で同じ条件でお墓を建てるのは不可能なんです。
費用が圧倒的に安いのは魅力ですよね。
公営霊園のデメリットとは?
「公営霊園は安心感があると安くて良いね~」と言いたいところですが、メリットばかりではありません。

公営霊園のデメリット
- 申し込みの期間が限定されている。
- 申込資格が厳しい。(遺骨が無い人は建てないケースがほとんど)
- 希望の区画が選べない事が多い。(選べるケースあります)
- 申し込み多数の場合は抽選。
- 墓石の費用は含まれていない。
公営霊園のデメリットは何と言っても申込期間が短いことと、申込資格が厳しいことにあります。
メモ
ほとんどの公営霊園では「遺骨があること」が条件になっているため、終活として「自分のお墓を用意しておきたい」と言う方は利用出来ないんですよね。
また、お墓を建てる区画の場所は指定できない事がほとんどなので、例えば「ゴミ捨て場の横」だったり、「トイレの近く」だったりする可能性もあります。
既に遺骨がある人はアリです
民間霊園や寺院霊園でお墓を建てるばあい「あ。ここ、けっこう安いよね」みたいな場合は、交通の便が悪いことがほとんどです。
メモ
霊園の方は「広い駐車場があれば関係ないですよ」とおっしゃいますが、高齢者の免許証返納が問題になる昨今、何歳まで運転出来るでしょうか?
公営霊園の場合、遺骨がないと申し込む事が出来ないことがほとんどなので、終活の一貫として「自分の永眠先を探したい」と言う意味では全く使えませんが、既にご両親やご主人の遺骨がある場合、自宅から近い場所にある公営霊園を検討してみるのはアリです。
申込等、民間霊園や寺院霊園より面倒臭いのがネックですが「自宅から近くてほどほどに安い霊園を探す」のであれば、公営霊園が最強ではないかと思います。
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