各宗教別で葬儀に参列する時のマナーについて書かせていただきましたが、今回は天理教のお葬式のマナーです。
地域によっては天理教を信仰しておられるご家庭は少ないかと思いますが、関西では以外と天理教のお宅が多いように思います。
馴染みの無い宗教のお葬式に招かれた時は失礼のないよう事前のチェックが必要です。
天理教のお葬式は神式のお葬式と似ています
お香典について
お香典袋の表書きは「御玉串料」「御榊料」「御霊前」です。
金額については一般的なお香典の金額と同じです。
香典袋は市販の物でかまいませんが「白・黒」または「白・黄色」の水引の物を選んでください。
仏教を意味する「蓮の花」の絵の入ったものはNGです。
天理教では仏教での仏様のことを、天理教では霊様(みたまさま)と呼んでいますから、表書きに「御仏前」とは書かないように気をつけてください。
服装・持ち物について
服装は一般的な喪服でかまいませんが天理教は仏教ではないため数珠は必要ありません。
参列する時、うっかり数珠を手に持つ事のないよう気をつけてください。
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ご遺族への挨拶について
天理教のお葬式では仏教用語は使わないように気をつけてください。
「冥福」「成仏」「供養」という言葉は仏教用語なので使わないでください。
ご挨拶の時は下記の言葉を覚えておけば大丈夫です。
ポイント
- 「この度はご愁傷様でした。心からお悔やみ申し上げます」
- 「お悔やみ申し上げます」
葬儀当日の流れ
天理教の場合、葬儀は基本的に神式の葬儀と似ています。
自分の名前を呼ばれたら、前に出て、奉納しましょう。
当日の流れ
- 斎主・斎員 入場・着座
- 献饌(けんせん)【神前に供物を捧げること】
- 副斎主 しのびの詞 奏上
- 斎主 玉串奉献 告別詞 奏上
- 斎員列拝
- 喪主 玉串奉献
- 遺族・親族 玉串奉献
- 一般参拝者 玉串奉献
- 撤饌(てっせん)【神前の供物を下げること】
- 斎主・祭員 退手退場
- 故人との「お別れ」を行った後に「出棺」
ポイント
- 「献饌」や「撤饌」は時間や参拝者によって省略される事もあります。
- 「弔電」や「弔辞」は「一般参拝者 玉串奉献」以降に行われます。
玉串奉献の作法
玉串を戴く
持ち方
- 葉先を「左側下」から持ち、枝先を「右側上」から持つ。
- 高さは「胸の前」辺りに上げる。
祭儀が執り行われている場所が区切られている場合は、そこで一礼。
祭壇の前まで進み、「玉串を奉献」する
玉串奉献の作法
- 葉先左側を「祭壇」に、枝先右側を「自分」に向け
- まず軽く頭を下げ頂く。
- 葉先の左手を「枝先」に、枝先の右手を「葉先」へと入れ替える
- 時計の針と同じ周りで右に回し、枝先を「祭壇」へ
- 葉先を「自分」に向け玉串台へと献じる。
参拝の作法
天理教の参拝は「二礼四拍手一拝四拍手一礼」と覚えてください。
参拝の手順
- 神前の場合は「二回」礼をする。神前から離れている場合は「一回」礼。
- 四回拍手を打つ。(天理教では音を立てても良い。)
- 一拝
- 四回拍手を打つ。
- 一礼をする
祭儀が執り行われている場所が区切られている場合、そこまで下がり神前に向かって「一礼」
これら含めてお葬式の時間的には1時間程度です。
天理教のお葬式は神式のお葬式と少し似てるので、神式のお葬式に参列された事のある方なら特に困る事はないかと思います。
もし葬儀当日に作法が分からなければ、前の人を見てその通りに行えば大丈夫です。落ち着いて行ってください。
まとめ
仏教式の葬儀しか知らない人にとっては緊張するかとは思いますが、亡くなった方に祈りを捧げる気持ちは同じです。
特に気をつけておきたいのは「数珠を持たない」「仏教用語を口にしない」の2点です。この2点に注意して参列なさってください。
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